電脳奇人Zuuboがもうなんだかわからない現実とか妄想とかを邪念まみれで書き散らすカオスなブログ
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最近もっぱらホラー小説ばっか読んでます。
玩具修理者 著・小林泰三 女が語り始める過去の話。 玩具修理者と呼ばれる謎の人物は、それがたとえどんなものであっても、こちらの希望した通りに直してくれる。 ぬいぐるみでもプラモデルでもTVゲームでも、 猫でも・・・人間でも・・・ 自分は生きているのか? 動いているだけなのか? 生物と無生物の境界は? 表題作「玩具修理者」と中編小説「酔歩する男」のニ編を収録。 玩具修理者はこまかく説明してしまうとタネがわれてしまうくらい短いので、さらっと読みたい時にはオススメ。 ところどころラブクラフトのクトゥルー神話を思わせる単語が出てくるが、物語の大筋には関係ないかなって感じ。 同時収録の「酔歩する男」は、ある酒場で出会った見知らぬ男が自分をかつて親友であったと言い、だがそうではなかったと言う意味不明な言葉を気にかけた主人公が男にその意味を問うてしまったばっかりに開けてしまった禁断の扉・・・ 果たして自分の時間は本当に正しく流れているのか? 昨日は本当に昨日か? 寝て起きたら本当に明日にたどり着けるのか? 時間を制御しようと試みた人間の末路は? みたいな。 「玩具修理者」は以前MEIMU氏によってコミカライズされており、ボクはそちらを先に読んでいたので、イマイチインパクトは薄かったけど、そもそも勧められたのは「酔歩する男」のほうなので無問題。 「酔歩する男」は物凄く絶望的なお話です。 最後にある人物の手のひらで踊らされていたかのような終り方になるのですが、それすらも救いに感じるほどに意思の力が及ばない大きな力の流れに飲み込まれてしまった絶望を描いています。 もしこれが偶発的な事故でこんなことになったらもう壊れてしまうしかないでしょう。 第三者の企みである方がまだマシって気がします。 どっちにしてもごめんですが。 小林泰三氏のホラー結構面白かったので、しばらくこの人の作品を読もうかな? 短編が多いのも個人的には嬉しいです。 サラっとね 読めるし。 PR
夏も終ろうと言うのにホラー文庫!
ぼっけえ、きょうてえ 著・岩井志摩子 「ぼっけえ、きょうてえ」とは岡山地方の方言で「とても、こわい」の意。 女郎が寝付かれない客に対して喋る一人語りの方式で、女郎の身の上話をしていくのだが、その話の中で女郎の過去や女郎自身の秘密が・・・ 表題作の「ぼっけえ、きょうてえ」の他全四編の短編からなる一冊。 全編にわたって本当に怖いのは幽霊なんかではなく人間て感じです。 基本的に岡山の寒村を舞台としており、明治初期、いまだ間引きの風習が残っていた日本の農家の現実と言いますか、そういうバックグラウンドがからして結構悲惨なため怪異自体も怖いというよりは自然な流れでそこにあるという感じがしました。 「密告函」という話だけは主人公が役所勤めでさほど貧乏じゃないんですが、ある意味でこの話が一番インパクトが強いかもわからないです。 ボクは結婚相手もいませんが浮気はすまいと心に誓いました。 なので誰か付き合ってください。 テヘ
久々の読書感想文は読んでからちょっと間が空いてしまったけれどもコチラ!
「新世界より」 著・貴志祐介 ドヴォルザークの楽曲よりタイトルがつけられているこの作品。 現代からおよそ千年先の未来、人は「呪力」と呼ばれる超自然的な力、いわゆるサイコキネシス能力を獲得。 その能力を使い自然と調和しながら暮らしていた。 人々は八丁標(はっちょうじめ)と呼ばれる注連縄で囲われた世界の中だけで暮らし、八丁標の外には人間人並みの知能を持つ哺乳類「バケネズミ」や、恐ろしい「悪鬼」、「業魔」と呼ばれる怪物がいると御伽噺で教えられて育ってきた。 主人公・渡辺早季は八丁標の中でのどかで平和な日常を過ごしてきた。 だが、年を経るにつれ自分達の置かれた環境への違和感や歪みに気づいて行く。 様々な事件を経て自分たちを取り巻く世界の真の世界の姿を知る時、早季はそこに人間の贖いきれない業の深さを見ることになる。 と、まあネタバレしない程度にあらすじを書くとこんなところですか。 まあ、人間ってのはつくづく罪深い生き物だなと思ってしまうようなお話です。 世界設定などからファンタジーものっぽい印象も受けますが、暮らしや町並み、生態系の描写が精緻で実にリアリティを持って描かれているのでファンタジーという感じではないです。 新しい力を持ってしまったが故に強さを弱さを拡大させていった人類の未来。 繰り返される血の歴史。 それでも人は前を向いて歩いて行かなければならない。 その先でまた同じ過ちを繰り返しながら、いつか成長出来る時を信じて。 テキスト量の割りに一息に読みきってしまいました。 今年読んだ本の中では一番万人にオススメできるタイプの本でした。 夏ももうすぐ終って秋間近。 夜長を読書で過ごす方にはちょうど良い感じですよ。 ちなみにタイトルからのリンクは上下巻のハードカバーですが、一冊にまとめた新書版出てますので、そっちの方が手は出しやすいかと。 興味がある向きは一読してみてはいかがか?
久々の読書感想文
「山ん中の獅見朋成雄」 著者・舞城王太郎 西暁の中学生「獅見朋成雄」はオリンピックを目指せるほどの俊足を持っていたが、自身の首から背に生えた「鬣」を気にして、自分がより人間的な存在であるために、山奥に住む変人書道家「杉美圃モヒ寛」のもとに弟子入りし、書と相撲(モヒ寛の趣味)に明け暮れ、墨をする続けるうちに日常から逸脱していく… 舞城氏は以前ファウストに掲載されていた「ドリルホール・イン・マイ・ブレイン」を読んだ時から比較的自分好みの作家であることが予想されていた。 で、やはりというか予想にたがわずスッキリと読めた。 読了感は必ずしもスッキリとは言えない作品が多いけれど。 獅見朋成雄はボクは青春のお話だと思った。 あらすじを細かく説明すると、不条理小説みたいに聞こえてしまう(というかボクの語彙の問題だけれど)のであんまり突っ込んだことは書かないが、いろんなところに(舞城氏の?)フェティシズムが見受けられて、それを受け付けないって人もいるかも知れない。 他の作品もいくつか読んだ限りではそこは変わらずそうで、どことなくもしくは露骨にエロティックだった。 いやらしいってのとはちょっと分けて考えたい気もするけれど、高尚ぶる気もないので別に「イヤらしい本なんだ」とか思われてもボクは困らない。 獅見朋成雄に関して言えば、作中の「書」の表現や様々な「擬音」の表現などが面白かった。 成雄は自分が感じたものや実際に聞いた音なんかを独特な擬音で感じ取るのだけれど、そういう自分の独自の感覚で世の中を受け止めてる人は多いとおもう。 「色」とか「味」とか。 ちなみにボクは「質感」で人を分けたりする。 これ内緒。 明日からまた旅の仕事だけれども、旅中に他の作品(文庫化されたヤツは)読んでしまう予定。 ハードカバーとかは重いので却下。 ∀(ターンエー)ガンダム 月に繭 地には果実〈上・下〉 (講談社 1999年(平成11年)4月9日から2000年(平成12年)4月14日までフジテレビ系列の一部で全50話が放送された作品の「終戦のローレライ」の福井晴敏氏によるノベライズ版。 宇宙移民の時代度重なる戦争で修復不可能なほどに破壊されてしまった地球。 そして2000年もの時が過ぎた正暦2343年 2年後の夏至の夜、ロランとソシエは、マウンテンサイクルでの成人式の儀式に参加していた。同じ頃、地球と月との2年間にわたる秘密交渉が決裂し、月の女王の軍(ディアナ・カウンター)が「地球帰還作戦」を開始。 巨大MSで威圧するようなディアナ・カウンターに対し、地球の市民軍(ミリシャ)は複葉機や高射砲などの旧式装備で、果敢に郷土防衛戦をはじめた。この戦力差を理解していないミリシャの攻撃にいらだつディアナ・カウンターの一機(テテス・ハレ)は、発砲を禁じられていたにもかかわらず、強力な対艦ビーム砲を発射し、マウンテンサイクルに封印されている“黒歴史”の遺物「∀ガンダム」を目覚めさせてしまう。 ロランはなりゆきから∀ガンダムのパイロットになり、地球と月の共存のために活躍する。 「終戦のローレライ」の~とか書いたけどそちらは未読。 ![]()
↑ね でもその独特の世界観で持って語られるお話はなかなか面白かったと思う。 で、その小説版ということなんですが、小説版はアニメ版とは内容がかなり異なります。 といっても無駄には悲惨な展開にしているわけではなくそれぞれの行動の必然が丁寧に描かれていて、好き嫌いは別れるでしょうが、本来この作品で描きたかったであろうと思われるものをきちんと表現するためにはこちらの方が正しいのかも? 個人的に面白かったのが月の生活空間の描写。 上下巻で結構なボリュームなので、細かく感想を述べていたらキリがないのでこの辺にしときますが、ガンダム好きもそうでない人も楽しめる内容だったと思うのでお勧めかな。 って今まで感想書いて「お勧め」って書いてないからってそっちはお勧めしないってことではないですよ? うん、綺麗にまとまった! |
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